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中元・歳暮を受けた場合は?

お返しよりも礼状を送る心遣いを


 もともと世話になる方への感謝の気持ちを込めて贈るものですから、受けた側からのお返しは必要ありません。ただ、礼状は必ず出すようにしましょう。改まった書状でなくてもかまいませんが、略式の手段である電話では身内やごく親しい人以外には失礼になります。手紙かはがきで心遣いに対するお礼をしっかり伝えたいものです。
 また、いただきっぱなしで気になるときには、旅行のおみやげや誕生日のプレゼントを半返し程度で贈るといいでしょう。
 直接届けていただいた方には、「お移り」をするのが目上に立つものとしての常識でしょう。儀礼的な「お移り」なら、半紙をたたんだものでいいのですが、それでは儀礼的すぎますから、ハンカチや靴下、あるいは缶詰やクッキーといったちょっとした品を用意しておいてお返し代わりに贈るようにします。
 旧友などからの季節の贈りものに対しては、こちらからも同様の心を贈りたいものです。まずは礼状を出し、いい品が見つかったときに、暑中見舞いあるいは寒中見舞いとして贈るといいでしょう。この場合は、もちろん相手に喜んでいただけそうな品を選ぶことが大切です。

COLUMN
送り状の文例

●中元・歳暮の送り状

拝啓
 本年もいよいよ押し迫り、余日少なくなりましたが、(向暑の折)、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 常々より親身も及ばぬお心配り、お礼の申し上げようもございません。心より感謝しております。日頃のご無沙汰のお詫びかたがたごあいさつにお伺いすべきところ失礼とは存じますが、ただ今、別便にて〇〇店からお飲み物一箱をお歳暮(お中元)のしるしまでにお送りいたしました。軽少ではございますが、お受け取りいただければ幸いです。
 寒さの折から(暑さ厳しき折から)、皆様のご自愛をお祈り申し上げます。
 まずは、ごあいさつまで。
                                                                   敬具
〇月〇日
                                                                〇〇〇〇

  (中元・歳暮の送り状の決まり文句)
  ◆平素のお礼と申すほどではありませんが、〇〇を〇〇店より配達させました。
  ◆お口に合いますかどうかお恥ずかしい品でございますが、産地直送の〇〇を別便で少しばかりお目に
   かけました。どうぞご賞味ください。
  ◆本日、お中元のごあいさつに〇〇店から〇〇をお送りいたしました。お礼心をおくみとりくださいませ。


礼状の文例

●中元・歳暮の礼状

拝啓
 盛夏の候(年末余日少なき折から)、皆々様には(あわただしくも)お健やかな日々をお過ごしのこと、お喜び申し上げます。私どももおかげさまで変わりなく元気で過ごしておりますので、なにとぞご休心ください。
 さて、このたびは、まことに結構なお中元(お歳暮)の品をお送りくださいまして、厚く御礼申し上げます。いつに変わらぬお心配り、恐縮に存じております。
 暑さ厳しき折から(厳寒に向かいます折から)、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
 まずは取り急ぎお礼申し上げます。
                                                                   敬具
〇月〇日
                                                                〇〇〇〇

  (中元・歳暮のお礼の決まり文句)
  ◆さて、このたびは、はからずもまことに結構なお品をご恵贈いただき、厚く御礼申し上げます。
  ◆さて、本日はご丁重なお中元(お歳暮)のお品、ありがたく拝受いたしました。私どもこそお世話になって
   おりますのに、いつもお心にかけてくださいまして恐縮に存じております。
  ◆さて、本日はご丁重なお中元(お歳暮)のごあいさつならびに結構なお品を頂戴いたしまして、本当に
   ありがとうございました。


















 


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