冠婚葬祭Q&A マナー辞典 > 葬のマナー > 葬儀・告別式 > カソリックの式次第は?
1.出棺の儀
葬儀は教会で行われますが、棺を自宅から教会へ移すのが出棺の儀です。
神父に自宅へ来てもらい、出棺の祈りを行います。遺族は故人と最後のお別れを行い、遺影とともに棺を教会
へ運びます。
2.参列者着席
席順は、最前列に喪主、遺族、近親者と並び、友人・知人、会社関係の人がそれに続きます。
一般会葬者は、式の開始十分前くらいまでには受付をすませます。一般参列者は、到着順に前から詰めて座り
ます。献花もこの席順で行われます。
3.入堂式
聖歌が流れるなかを、神父が奉仕者を伴って入堂します。参列者はこれを起立して迎えます。
入堂した神父は、祭壇と棺に献香を行い、入祭の言葉を述べますが、これは、仏式や神式の開式の辞にあたり
ます。カソリックでは司祭自身が司式をします。
4.ミサ
ミサは葬儀の中心的な儀式です。内容は教会によって異なりますが、聖書朗読や神父の祈り、聖体拝領が中
心となります。
ミサの一例を挙げますと、
聖書朗読 神父によって聖書の一節が朗読され、続いて詩編の一節を参列者全員で合唱します。
福音書朗読 新約聖書の一節が朗読されます。葬儀ミサでは、死者の復活について説かれている一節が
よく読まれます。
説教 短い説教に続いて、パンとブドウ酒を神に捧げ、復活の希望を述べた奉献文を唱えます。参
列者はこの間静かに聞いています。
聖体拝領 パンとブドウ酒を信者に与える儀式です。信者でない人は席に座って見守ります。
5.告別式
司会者が告別式の開始を告げます。故人の略歴が紹介され、弔辞、弔電の披露が行われ、遺族代表による会
葬御礼のあいさつと進んでいきます。
続いて、オルガン演奏や聖歌合唱のなかを参列者全員による献花が行われます。まず司祭が行い、喪主、遺
族や近親者、一般会葬者と続きます。
出棺を教会の外で見送る場合は、献花のあと順次退場して、霊柩車の脇で待ちます。教会内で見送る場合に
は再び着席しますが、どちらになるかは係員が案内しますので、その指示に従います。
●カソリックの式次第(例)
式の流れ 遺族 一般会葬者
受付開始 ●式の三十分前には受付を開始 ●式開始の十分前には受付をすます
神父入場 ●起立して迎える ●起立して迎える
ミサ ●聖書朗読、聖歌合唱を行い、神父の説教を拝聴する●聖体拝領は信者のみが受ける ●聖書朗読、聖歌合唱を行い、神父の説教を拝聴する●信者は聖体拝領を受ける
告別式開始 ●司会者が式開始を告げる ●静かに拝聴する
故人の略歴紹介 ●司会者が故人の略歴を披露する ●静かに拝聴する
弔辞 ●司会者は弔辞を述べる人の名を呼ぶ ●指名された人が弔辞を述べる
弔電披露 ●司会者は弔電を読み上げる ●静かに拝聴する
遺族の挨拶 ●遺族代表が一般会葬者に会葬御礼の挨拶をする ●静かに拝聴する
献花 ●司祭が献花をし、続いて喪主から順に献花を行う ●遺族に続いて、座席の順に献花を行う●聖歌を合唱する
出棺 ●司祭の言葉を拝聴し、柩を見送る ●司祭の言葉を拝聴し、柩を見送る
式終了後 ●火葬場へ行く用意をする ●霊柩車のわきで、見送るため待機する