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キリスト教式の枕飾りは?

●十字架を故人の手にもたせる  

 カトリックの場合は「終油の秘跡(しゅうゆのひせき)」の儀式が臨終前に神父によって行われます。これは死を前にした信者が、これまでの罪の許しを求め、神の恩恵を賜るための儀式で、神父が信者の額と両手に聖油を塗り、パンを一切れ与えます。プロテスタントでは信者がまだ意識のあるうちに、牧師が「聖餐式(せいさんしき)」を行います。パンとブドウ酒を信者に与え、聖書の一節が朗読されます。

 仏式で行うように遺体に湯灌を行い、死化粧をするのは、キリスト教式でも同じです。またプロテスタントでは末期の水をとることも多いようです。

 遺体は床に安置しますが、このときに決まったならわしはありませんが、故人の手に十字架(カトリックの場合はロザリオ)をもたせたりすることが多いようです。

 枕元には、十字架を立て、ろうそくを灯し、白い花などを飾り、故人の愛用した聖書を置きます。宗派によっては香をたくこともあります。

●キリスト教の枕飾り
プロテスタントは十字架を、カトリックはロザリオを手にもたせる。


●故人の愛用した服を着せて納棺する

 納棺までは、遺体は床に安置しておきます。

 納棺は、正式には牧師(カトリックの場合は神父)が祈りを捧げるなかで行われますが、実際には遺族だけで行うことが多くなっています。

 仏式で言う「死に装束」は、キリスト教式ではありません。遺体に着せる服は自由ですから、納棺の際は、故人が愛用していた服を着せたらよいでしょう。


 遺体のまわりは、白い生花で埋め、棺のふたを閉めたら黒い布で覆います。


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