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結納の仲人の役割と心得は?


●結納時の仲人は挙式の媒酌人を兼ねることも

 
 かつて、仲人は双方の家の全権委任大使であり、「新夫婦の後見人」でもありました。しかし、結婚が本人二人の意思と責任によるものとなった現代では、その必要性はなくなりました。このため、仲人の機能そのものも変化しました。

 従来の考え方では、仲人の果たす役割は大きく三つに分けることができました。第一に縁談からお見合いまでの紹介人的な役割を果たす仲人、第二には婚約から結婚準備までを立ち会う仲人、第三は挙式当日の媒酌と介添え役、つまり媒酌人を務める仲人です。

 これらの役割を一組もしくは二組の仲人が通して担ったものです。しかし、お見合いよりも恋愛が増え、仲介の機能も変化しているいま、婚約の儀式である結納は仲介なしもあり、その立ち会い人だけを頼まれるケースは少ないでしょう。結納時の仲人役は、お見合いの折りの紹介者や挙式の媒酌人に依頼されることが多いようです。とくに、挙式当日の頼まれ仲人が親と面識のない場合は、結納時に立ち会って顔を合わせるケースも増えてきています。婚約に立ち会う仲人の役割は二人の婚約の証人になることと心得ましょう。



●若い二人の希望に添って結婚までバックアップを


 仲人の依頼を受けた場合は、自分が果たすべき役割はどの範囲か本人に確認するようにします。もし、本当は挙式の媒酌人まで依頼されているのに結納時だけの仲人と解釈していた場合、自分たちだけでなくこれから結婚する二人とその家族にも迷惑をかけることになりかねません。入念に打ち合わせをしておくことを忘れないようにしましよう。

 また、どのような形の婚約になるのかも確認事項の一つです。結納ではなく婚約パーティや婚約式という形を本人たちが望んでいる場合もあります。しきたりどおり結納をするにしても、贈るのか交換するのか、仲人の手で取り交わすのか立ち会うだけなのかなど、その方法はさまざまです。こういったことも踏まえ、本人たちの意向をよく聞いておくようにしましょう。現代では、あくまで本人同士が決めたことを尊重するのが原則。仲人として若い二人の新しい人生のスタートをバックアップし、協力するようにしたいものです。仲人を依頼されるということは、一組の夫婦として社会的に信用を得ているという証拠です。祝いごとですので、一旦引き受けたら決して断ることのないようにするのが目上の者としての常識です。そして、結婚する二人の良き理解者、もしくは相談相手としての機能も併せもつことを心得ておきましょう。


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